angelic layer 外伝

「偽善の仮面」

ここは、angelic layer の楓と最の控え室である。二人は試合が始まる前にメールやファンレターの

整理を行っていた。最は自分の元に着たファンレターを見て考えた事は、男性のファンからメッセージが沢山寄せられている事である。その一つを見てみると、「最様の鋭い目付きで睨まれると私はぞくっとします。」とか、「女王様のファイトは絶品であります。」などと書かれていた。

「凄いですね。男性ファンの方々の熱いメッセージが…・。」

側で見ていた楓がいった。

「うん。お前も女性からのファンレターが多いな…。」

ピンク色や愛らしい装丁の封筒を見ながら行った…。

内容はというと、「いつも楓さんの笑顔がやさしそうなお姉さんと言う感じで好きです。」

というような文面であった…。

「私は、こういう女性ファンからのファンレターが一番好きなんです。この前男性が、

『お前は本当は本心から微笑んでいるのではなくて自分の本心を偽るためにああいう表情をしているのではないのか』という内容のメッセージが届いた事があったんです。でも、それほどショックは受けていません。男性の方はそういう私の偽善者めいた部分を見抜いていたのですね。私自身マスコミに講評されているほど、純粋ではありませんし癒し系笑顔と言うのではありません。マスコミ対策の営業スマイルなんですよ…。」

と顔を一つも曇らせせずにいった。側で見ていた最とて、少々たじろいだ。

「年上の男性に人気が有りそうではないか…。」

最はぽつりと言った。

「あれはただのマスコミが用意したさくらですよ。本当はみんな知っているんですよ。インターネットかパパラッチから入手した情報から私のことは漏れ伝わっている上に、私生活なんて結構丸見えなんですよ。あえて流すようにしているのは、みんなが考えているほど守ってあげたい女性ではないと言いたいからです。マスコミが勝手に作り上げた虚像に躍らされている人間を馬鹿にしてやりたいのですよ。」

楓の顔はほくそえんでいた。

「私はあまり女性に好かれるのは好きではない。かえって男性に好かれるのは嬉しいな。」

最は簡潔に述べた。

「そうですね。あなたはポーカーフェイスを装っているようで熱い女性である事を男性は分かっているのではないでしょうか。それに女王様にしばかれたいと考えている人間は男性に沢山いますしねぇ。」

楓は長々と述べた…。

「ふん。お前さんは悪党だな。そういう腹黒いところが多分最近は女性票の獲得に成功しているのではないかな。女性としての生き方にみな共感し始めたのであると私は考える。」

と最は解答した。

「そうですか…・。」

楓はそうのべた…・。彼女はいつもの笑顔になっていた、よくよく考えるとこの笑顔は不気味であるように写るのである。といって彼女は試合場にブランシェと一緒に出て行った。

さてと…・。

最も出て行った…。

観客席には、

Let’s 萌え萌え最様

と大きな横断幕と油くさい男性の声の最様…・。という声が上がっていた。

終了