CCS外伝逆襲の藤隆

平賀百合子の考古学教室 4

押し掛け弟子について

あの、原当麻が百合子の研究室をでたあと、知世はこそりといった。

「あの人本当に認めるの?

百合子は、「ええ。ああいう熱意のある人を私は研究を一緒に続けたいなって感じているのよ。」

とあえて言ったのである。いつも不遇な彼女に春が巡ってきたと考えた方がいいだろう。

「私は君がいい様にしたまえ。」

とキートンがいった。知世はさくらがあの女性に救われている物だろうと考えて考えるのであった。

真の親友と言う物は、私が昔さくらにしたような物じゃないと大学に入って有村佐和子と付き合い始めて

思うのである。さくらとて、自分が人間として成長する事を考えて私をたもとを分かったのだ。

それにしたって最近のさくらが可笑しいと思う。彼女の父親のコネで大学に入ったものの、

全然講義に身が入っていないと言うかなんと言うか…・。

どうもこういう人間が大学にいる事事体大学をけがしていると思うのである。

どうもちゃらんぽらんななやつがここ最近大学に多いのである。

さて、場所が変って、エレベーターに乗ったさくらと原当麻である。

原当麻は熱に浮かされたさくらをみて半分遠い目で見ながら、

「ご機嫌そうだねぇ。彼が見つかったのはいいけれども結婚までするなんで夢の様じゃないの。」

と皮肉った。

さくらはそれを見て、

「うん。週末に横浜の日本料理屋で行うんだって。彼すごくかっこいいの。」

希望に満ちた顔をしていた。原当麻は

「いっとくけれどもお見合いって100%成功するものじゃないんだよ。大丈夫なのかな」

と釘をさした。

「おみのいじわる。絶対成功するんじゃないかなって思うの。」

さくらはいいはったのである。彼に心奪われている目で…。

原当麻はそんな彼女にあきれて溜め息を吐いた。

「私は本当にうまくいくと思っていないからあんたに忠告するんだよ…。」

さくらはそのまま押し黙っていた。エレベーターのランプがむなしく下の方を表示していた。

「今度あんたの家にいってもいいかな…・。」

話題を変えようと原当麻が言った。

「いいよ。多分お父さんの本が目当てじゃないかなって思うな」

原当麻は態度を曇らせて

「違うよ。親友としてのあんたの家にいくんであって、あんたのお父さんの書籍が

目当てじゃないよ。」

と、否定した。さくらは無言で本当はそういう感じじゃないかなって思っていた。

…・。あんたも本当に疑り深い人間ね。原当麻はそうおもって親友を見たのである。

こいつに親友としてがツーんと言いたいけれども、彼女が傷つくだろうな。とかんがえてしまう

しかし、言わなければと思う心が葛藤している…。あいつに言わなければ

うつむいている彼女を見てそう思った。

一方、また研究室に舞台は移る…。百合子の研究室に彼女が知っている人間が入ってきた。

眼鏡をかけたやさしそうな男である。整った顔立ちにやせた体が、実年齢より若く見える

「百合子さん。今度妹のお見合いがあるんですが、私はどうも乗り気ではないですね。」

いきなりの質問に百合子は吃驚した。自分には関係が無いと考えていたからである。

ソファに座っていた父親と妹も目を真ん丸くしていた。妹は口に含んだコーヒーを

吐き出しそうになりながら飲み込んだのである。

「いきなり何を言うんですか?

せき込みながら百合子の妹である知世は藤隆に質問した。

「私も吃驚しましたよ。」

百合子の父親であるキートンも苦笑した。

「いえ。うちの娘と学部長さんのお孫さんのお見合いなのですが、私が助教授に昇進するための

じょうけんとして娘と結婚するの事になったんです。」

キートンも知世も呆気に取られていて、目が埴輪になっていたし、百合子は百合子で拳に力を込めて

今にも騒ぎそうであった。

知世はそれを見て

「姉ちゃん。今度の職場も首になるかもしれないし、こういう事だから美幸さんに弄られるんだよ」

と一睨みした。藤隆は知世に耳打ちをした。

「こういうお姉さんをもって知世さんも苦労が耐えませんね…。」

知世は、

「自分を捨てたそのみといるよりは、世話を焼く姉といる方が楽しいですよ。私が平賀家の一員として

自分の興味のあることがぼんぼんと食卓にでるので刺激的ですよ。」

と意地悪そうに微笑んだ。

「そういえば、とーやくん美幸さんとスコットランドにいっていてお見合いにはいかれないようですね。」

キートンが聞いた。

「あの男は、もういいですよ。美幸さんに彼をお願いしますと委託しましたから。」

遠い目でみずからの息子を評したのである。彼はあの時の相川美幸女史の表情は今でも

忘れないのである。普通であればこういう言葉は娘の父親が夫となる男性に言う言葉である

と女史は考えていたからである。

「女史とは凸凹コンビとしてやっていくんじゃあないですか。」

知世もそう付け加えた。

「そういえば、今度のお見合いは横浜の奥座敷として知られるP区の大難楼という

ところでやるんですよ。」

と平賀家の人々に藤隆は伝えた。知世は思い出したように…。

「確か、あの料亭は私も蓮次君の家族と食べにいく予定だな…。藤隆さん

日時は…。」

と手帳を見た…。

「確かXX()のよる18:00からやるはずなんだが…。」

藤隆と知世は御互い顔を見合わせたのである…・。

果たして…。

次号を待て