CCS外伝逆襲の藤隆

平賀百合子の考古学教室

1話「青天の霹靂」

そういえば、私が家族である料亭に食べに行ったのが始まりであった。ここはあたらしい料亭でぜひ話の種に食べに行こうという事になっていた。本当は洋食の方が良かったのだが…・。

私達が座っているテーブルの側で良く見慣れた顔の人間が存在していた。

眼鏡をかけた若作りな人間──────そう。木之本藤隆さんである

彼は背広を着て年配の人間にお銚子から酒を注がれていた。

彼は只平身低頭するだけで、年配の男性にぺこぺこするだけであった。

私はそのまま姉夫婦の顔を見ながら料理に没頭する事にした。

「不思議な料理だな。」

小さな小鉢に盛られた料理をベトナム人の義兄はそういいながら食べていた。

「ええ。そう?

私はそう彼に返した。

しばらくして私は、姉にこう切り出した。

「そういえば新しい職場に決まったけれども藤隆先生のお口添えがあったからじゃない?

姉は、

「ああ、前のイギリスの学校の講師が女性を大切にしなかったからよ。」

と息巻いていた。じゃあ、日本で女性として男性とばりばりは働いて売れっ子ドキュメンタリー作家として活躍しているとーやさんの奥さんの相川美幸さんはどうなのだろうかと考えた。

実に中高一貫の女子校で純粋培養された男観だなと考えてしまう。私のように男女共学校でそだてばがさつな男やすけべな男性のいいところをのぞけるのではと考えてしまう。そう言えば中学の恩師の銀太先生や昔大道寺家で父とボディーガードをやっていた麻生さんが実に苦手な生き物だったなと返す返すも思うのである。確かにイギリスやアメリカの方が男女平等かもしれないけれども、日本だってばりばり闘っている人は闘っているのだ。そういうのが美幸さんの癪に障って彼女のおもちゃにされてしまうのだ。

私の大学の親友である有村佐和子だって、美幸さんの方が平賀の姉上のようであったと言っていた。私の姉である平賀百合子に対しては、親戚の叔母さんと第一印象を述べていた…。

よりによってまた激怒していたが…。今度の職場は父上のお友達であらせられる藤隆さんが

いたからいいのである…・。

大体30分ぐらいであろうか、藤隆さんが私たちのいる席に寄ってきたのである。

「これはこれはキートンさん。こんな所に来るのは奇遇ですね。」

彼は少々なれないお酒を飲んで赤くなっていたのである。

「ええ。新しくこの料亭が出来たので家族で寄ってみようと思いまして…。」

私の養父であるタイチ・ヒラガ・キートンは藤隆氏と握手をした。

「知世さんは、お勉強をがんばっているようですね。立派な小学校の先生になって下さい。」

と私に言った。

姉には、

「百合子さん、まあがんばって下さい。」

と一言言った。

「藤隆君、今回は何でここに来たのかね。」

祖父が訝しがりながら藤隆さんに言う。

「ええ。今度私の学部長のお孫さんと私の娘がお見合いをするので、その祝いの席なんです。」

私をのぞくみんなは吃驚していた。そりゃあたりまえだ…。

先日、私はさくらと小狼両人にあっていた。最近御互いの仲は冷え切っていて、仲をとりもとうと私はしたのだが、彼等は、もう恋愛感情は全然無いと言っていたのである。

残念と言えば残念なのであるが…。

このことは私自身日を置いて皆様に話そうと思う。

つづく